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境界線
Q-5
息もつかせぬ
その音色
髪の先につけるアクセサリー同士が当たって、りぃんりぃんと鳴る。それはクロロの動きに従って、切ない悲鳴の奥で。笑い出してしまいたいくらいに楽しい行為だった。
力を奪い地位を奪い場所を奪い処女を奪い、ネオンはクロロの覆う籠の中にしか生きる意味をもたない。今流れているこの時の命さえ、クロロの手の中だ。なんと征服欲を満たす生き物だろう。
クロロさんクロロさんクロロさん。
何度も呼んでしがみついてくる。優位に立つのはいつだってクロロだ。間違いないと、分かっているのに。
りぃんりぃん。
思考を蝕んでいく。切れ切れな呼吸を満たそうと口づける。また、呼ばれて。クロロは笑いそうになりながら律動する。顔をうずめるには少しささやかな乳房にしゃぶりついて、ネオンの中に没頭していた。
以上
タイトル募集で書いた話です
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